選手インタビュー

上野由岐子さんインタビュー

上野由岐子さん 上野由岐子さん ソフトボール 2004年アテネ

「信頼関係」とはどのように築かれるのだろうか−女子ソフトボール日本代表である上野由岐子は、アテネオリンピックで与えられた大切な宿題を、今ゆっくりと完成させようとしている。ソフトボーラーにとって最後のオリンピックとなるかもしれない北京大会で、日本が金メダルを獲得するために…。

【ソフトボールとの偶然の出会い】

高橋:最初に、ソフトボールを始めたきっかけを教えてください。小学3年生のときに、お父さまとジョギングをしていたら、たまたまソフトボールの試合に出会われたとお聞きしたのですけど、合っていますか。

上野:たまたまチームの監督が見てくれていて、それで誘われて入ろうと思ったというか…。自分たちが走っているときに監督が見ていて、たまたまその監督の車に乗っていたのが自分のクラスメートだったので、それで監督が「誘ってみろ」と言ったらしくて、クラスメートの子が誘ってくれたんです。

高橋:本当にたまたまという感じなのですね。それで、ソフトボールを始めることになって、そのチームに入られたわけですか。

上野:そうですね。たまたまというか、誘われたので。

高橋:どこかのインタビューで、「もしあれがサッカーだったらサッカー選手になっていたかもしれない」というようなことを答えられていたのですけど、そういう感じでしょうか。

上野:そんな感じです。

高橋:では、きっかけはたまたまにしてもソフトボールを始めて、自分の中でこれはずっとやっていきたいというふうに思ったのですか。

上野:いや、ずっとやっていこうと思ってやっているというわけではなく、ただ自分がやりたくてやっている…ただうまくなりたくて、その一心でずっとやっていた感じです。

高橋:ほかの競技に変えてみようとか、例えばバスケットをやってみようとかは思いませんでしたか。

上野:それはなかったですね。ソフトボールをやれる環境が、小学、中学、高校とあったので、ほかの競技には正直興味を持たなかった。最初に出会ったのがソフトボールだったというのもあると思うんですけど、ソフトボールをやっていて楽しかったし、やめたいと思ったこともなかったし。

高橋:少年ソフトボールのチームですよね。男の子のチームに入ってもすごく活躍されていたということですよね。

上野:男の子の中に混じってやっていました。引けを取らないというか、負けたくなかったという一心だったので。本当に同等に扱ってもらったし。

高橋:では、例えばもし男に生まれていたら、野球をやったと思いますか。

上野:同じ環境だったら、野球に転向したかもしれないですね。

高橋:その少年チームに入っていたときに、自分が男だったらなとか、そういうことを思いましたか。

上野:いや、特に思わなかったですね。

高橋:そうですか。では、生まれ変わったらこうしてみたいとか、生まれ変わってもう1回同じ人生を歩んでみたいとか、どう思いますか。

上野:いや、同じ人生はいいです。

高橋:どうしてですか?

上野:しんどいから。根本的に、あまり目立つようなことはしたくないんです。ただ、好きなソフトボールを楽しくやっているうちに、こういうふうになってしまっただけで…目立ちたいからソフトボールをやっているわけでもなく、目立ちたいからうまくなりたいと思っているわけでもなく、ただみんなに負けたくないとか、もっとうまくなりたいという一心でやっていたら、こういう感じになってしまったというのが正直なところなので。どっちかというと普通の、一般の生活をできればそれでいいという感じです。

高橋:そうですか。今、25歳でいらっしゃるでしょう。例えばこれから、結婚したいとかって思いますか。

上野:今はまだないですね。やっぱり今はオリンピックというものが目の前にあるし、正直そういうことを考えている暇はないというか。

高橋:それが終わってから、何かやりたいことはありますか。

上野:そうですね、やりたいことはいっぱいあります。

高橋:どんなことですか?

上野:もちろん結婚もしたいと思うし、今度はソフトボールだけじゃなくて、ほかに興味を持ったことだったり、スポーツではない面でいろいろな体験をしてみたいというのはありますね。

高橋:スポーツ以外でどんなことを体験してみたいですか。

上野:今までは自分がやっている立場だったけれど、指導者みたいなこともやってみたいと思うし、逆にソフトボールから離れて、普通の生活というかOLみたいな生活をやりたいなと思うときもあります。

高橋:もちろんまだ現役でいらっしゃるし、先々何かしたいという具体的なビジョンがあるわけではないということですね。目の前に北京オリンピックがあるし、そこをまず目標としているという感じなのかな。

上野:そうですね、はい。

高橋:具体的な目標でなくていいのですが、夢はありますか。

上野:それはオリンピックの結果次第だと思っています。指導者の道が開ければ、そういう道に行きたいなと思うけれど、絶対に指導者になりたいという気持ちでもないですし。

高橋:もう一度生まれ変わって、男の子に生まれていたら野球をやるかもしれないとおっしゃっていましたけれど、例えばメジャーリーグに行きたいとか思いますか。

上野:実力があればですね。正直、自分のレベルがどのぐらいなのか分からないし。何とも言えないですね。でも、多分どのスポーツをやったとしても、一生懸命うまくなりたいと思ってやるだろうなというのはありますけど。

高橋:尊敬する人というところで、中田英寿選手と、ロナウジーニョ選手とおっしゃっているところがあったのですが、今はどちらですか。

上野:今はロナウジーニョさんですね。

高橋:そうですか。どのようなところを尊敬しますか。

上野:ロナウジーニョ選手のプレースタイルだったり、雰囲気というか、考え方もそうだし…いろいろな雑誌やプレーする姿を見て、ロナウジーニョさんみたいな選手になりたいなと。

高橋:考え方というのは、具体的に教えていただけますか。どういう点で共感するのですか。

上野:あくまでも雑誌で読んだ内容ですけど、一流といわれている中で常に笑顔でプレーしている面だとか、とにかくサッカーが好きだからやっているだけなんだという言葉とか。あとは、規則や制限のある中で、自分がどれだけやれるかが勝負だ…という話があったりしたので。

高橋:中田英寿さんはどうですか。

上野:中田選手の性格だとか、生き様みたいなものを見て、このぐらい芯の強い人間じゃないと一流でやっていけないんだなと思ったので。

高橋:さっきのメジャーリーグじゃないですけど、例えばイチロー選手とか、松井選手とかは憧れたりしないのですか。

上野:正直、自分はピッチャーなので…野球選手の記事はあまり読まないんですよ。

高橋:そうなのですか。どうしてですか。

上野:同じ競技だからというのがあるし。

高橋:私など素人的に考えると、同じ競技なので、かえって読まれるのかなと思ったのですけど。

上野:参考になる面もありますけど…。ピッチャーとしてのコンディショニングとかそういうものは、もちろんプロ野球選手の方を参考にしますけど、メンタル的なところは正直あまり読まないというか、自分自身もあまり興味がないので。どっちかというとほかの競技の選手の記事をよく読むんですよ。

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