選手インタビュー

冨田洋之さん 冨田洋之さん 体操 2004年アテネ

【ヴィダリー・シェルボとの出会い】

高橋:あこがれの選手がヴィダリー・シェルボ選手、92年のバルセロナオリンピックで6つの金メダルを取った方ですね。92年っていうと冨田さんが12歳の時だと思うんですけど。この時はテレビで見ました?

冨田:その時は見て無かったです。あとで高校に入ってから高校にビデオがあって、それで見たのが初めてだと思います。

高橋:それは何か授業とか。

冨田:いや、体育館に置いてあるビデオをたまたま見ていたんです。…オリンピックとか、大会ごとにビデオがあったっていう感じ。

高橋:その中でもシェルボ選手に一番憧れた?

冨田:そうです。はい。

高橋:どういう所に憧れましたか?

冨田:難しい技をやっているのもそうなんですけど。なんか、見てて簡単にやっているように思わせたりとか、どこをとっても絵になるような演技、っていうような感じはありましたね。

高橋:じゃ、演技そのものに惚れたという感じ。

冨田:はい。

高橋:例えば、オリンピックで6つの金メダルを取ったシーン、人々の喝采を浴びていたりとか、オリンピックというすごくインパクトの大きな、今まで見たことも無いような華やかな世界が映っていて、そこに金メダルを6つも首にしているシェルボ選手に対しての憧れは。

冨田:そういうのはあんまり無かったですね。もう演技を見て。

高橋:純粋に演技を見て。

冨田:はい。

オリンピックとの出会い

高橋:オリンピックに対する憧れは?

冨田:オリンピックに対しての憧れっていうのは、もう小学校から通ってたマック体操クラブでも、池谷さんとか西川さんとか、卒業していった人たちがオリンピックに出ているんで。オリンピックへの憧れはもうその時から持っていましたね。…先生方もいろいろ池谷さんとか西川さんの話をしてくださっていたりしたので。

高橋:直接ご指導を受けたことは?

冨田:直接はなかなか無かったんですけど。でも合宿で、池谷さんとかが大学生の時に、自分が大学の方に合宿に行ったりだとか。そんな時に会ったりはしてました。

高橋:どうでしたか、その時は。小学生の冨田さんが大学生の…。

冨田:すごく大きく見えました。もう全然見たことも無いくらい大きい、というか迫力だったんで。ただ単にすごいなということばかりでした。

高橋:その時に例えば、「よし、俺も絶対オリンピックに出るぞ」というような想いは?

冨田:オリンピックに出るぞっていうよりも、この人みたいに上手くなりたいとか、そういう気持ちの方が大きかったです。

高橋:純粋に自分の技を磨いていきたいっていう、そういう気持ちの方が。

冨田:上手くなりたいっていう。

高橋:オリンピックであるとかそういう大きな舞台に出るということに対する憧れよりも、そういう技をとにかく磨いていきたいという気持ちの方が強かった?

冨田:はい。

日本代表としての自覚

高橋:初めて日本を出て海外に行ったのはいつですか?

冨田:中学校で、中国に合宿に行ったこと。

高橋:これも体操クラブの合宿で?

冨田:はい。

高橋:初めて海外に行った時、日本との違いについて気づいた点はありますか?

冨田:そうですね。その頃いたマック体操クラブは厳しいんですけど、中国の方がやっぱり厳しくやってましたね。

高橋:その厳しさに触れて、自分でこれからこうしようと思ったことはありますか?

冨田:そうですね。中国の子供の選手たちもすごく厳しくやられているんで。日本に帰って、厳しくやられるのはあるんですけど、自分なりに甘えを出さないようにしようっていうような感じは思いました。

高橋:その後、キャンベラカップやモスクワ、東アジア、北京ユニバーシアードなど、国際大会にずっと参加されて、好成績をおさめていらっしゃいますが、国際大会に出て何か感じたこととか印象に残ったこととか、ありますか?

冨田:やっぱり初めての国際大会っていうか、日本代表として出たのは東アジアなんですけど、そこで成績を残せたのはすごい自信になってますね。

高橋:国際大会では日本の中での大会とまた違う意識はありますか?

冨田:そうですね。はい。やっぱり日本代表として行くんで。まあ、恥ずかしい演技はできないと思うんで。練習段階でも変わってきますし。

高橋:変わってくる?どういう風に?

冨田:合宿がだんだん増えていくんで、自覚っていうのがすごい出てきますね。

高橋:それは日本の代表としての自覚?

冨田:はい。

高橋:なるほど。それでは国際大会に出る時は、何の為に戦いますか?日本の代表として出るから日本のために戦う?それとも自分のため?あるいはコーチや監督など周りの人のため?家族のため?もちろん一言では言えない複雑な気持ちがおありになるでしょうが、冨田さんの場合はどういう気持ちが一番強かったですか?

冨田:全部あると思うんですけどね。自分のためっていうのはやっぱりありますし。…自分のためにやったことが家族のためでもあって、で、チームのためだったりコーチのために繋がると思うんで。自分の納得のいく演技をするため、自分を感じてやってますね。

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