選手インタビュー

脇田寿雄さん 脇田寿雄さん ボブスレー 1988年カルガリー 1992年アルベールビル 1994年リレハンメル 1998年長野

【4度のオリンピックで得た自信】

元川:4回オリンピックに出たことで人生はどう変わりましたか。今は別の仕事をされているとのことですが、自分の人生の中でどのような財産が残りましたか。

脇田:今は違う仕事をしていますが、私のような人でも少し努力することによって4回出られたという自信にはなっています。だから、仕事をする上というか、辛いときのバックボーンというか…他人には言わないですが、そういう心の中の支えというか強みには、なっていると思います。

元川:競技生活の後、普通の社会人として方向転換するのは大変だったと思います。やはり転換は大変だったですか。

脇田:東京美装でそのまま仕事を9年やって、今は転職しています。社会人をやってみると、意外とトレーニングと同じですよね。末端の仕事は、言ってみればトレーニングなわけです。知らないよりは知っていた方がいいし、どんな仕事でも経験していた方が自分の身になっているし、自分の言葉で言える。そういう面では世界は全く違ったけれども、いい勉強ができたなと思います。私の人生を振り返ってみると、青山先生がいたのと同じで、東京美装に入るときも八木さんが入れてくれましたし、転職のときもキーパーソンの人がいてくれたのです。競技をしていたときもそうでしたが、本当に感謝しなければいけないと思っています。

元川:でも、前向きにやっている人には、そういう人が現れるものですよね。すごく前向きでエネルギッシュですものね。ボブスレーがもっとメジャーになってほしいと思われますか。

脇田:自分たちの責任でもあるのですが、今の成績は経験した者にとっては寂しいですね。私は何でも、事は偶然的には起こらないと思っているのです。必然的に要因があって結果があると思っていて、仕事でもそう思っているので、今の状況も、例えば長野でせめて入賞するなり、メダルを取れなかったからこうなっているとも思うのです。
ただ、私は今後、女子ボブは注目だと思いますよ。冷静に分析して、世界のボブスレーを見ると男子よりも女子の方が層が薄いのです。あとはタレントというか選手の問題で、今、女子では浅津(このみ)さんという七種競技の選手がボブスレーをしているのですが、身体が大きくて走りも速いので。この先、伸びしろがある競技だと私は思いますよ。

元川:もしかしたら、メダルの期待種目になるかもしれないですね。ありがとうございました。

~脇田寿雄さん インタビュー 完~
(インタビュアー:スポーツライター 元川悦子)
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ゲストプロフィール

脇田寿雄さん
脇田 寿雄(わきた としお)
氷の張った1,200~1,700mのコースを専用のソリで一気に滑り降りるボブスレー。最高速度は時速130~140kmに達するこの競技は「氷上のF1」ともいわれる。スイスのアルプス地方発祥で、ドイツなど欧州では人気が高いものの、日本国内の競技人口は200人に満たない。脇田寿雄はこの競技で、1988年カルガリー大会から1998年長野大会まで4度もオリンピックに出場している。
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