選手インタビュー

冨田正一さん 冨田正一さん アイスホッケー 1960年スコーバレー

【日本における環境の変化】

広報スタッフ:日本に目を移しますと、今はアイスホッケーリーグの企業の撤退などがあって、クラブチーム化されたり、変化の時代なのかと思うのですが。

冨田:日本のスポーツ界はまだまだ難しいというか、スポーツ省がないだけに、ボランティアと企業で成り立っている。ですからとても難しい。何チームが年間何試合くらいしている国に限るとかオブストラクションがありますから、このままですと世界選手権に出場できる資格がなくなるくらいです。そういう中で、私は韓国と中国と日本でのアジアリーグを作って、年間の試合数を増やして強化して、ヨーロッパや北米に負けないようにしようというシステムができましたが、難産でした。環境もイデオロギーも違うところでやって、なんとか5年たちました。リーグスポンサーもいない、リーグのオフィスは日本の企業の人達が手伝っている。今回、国際連盟である程度の予算が取れましたので、国際アイスホッケー連盟から人材を確保できないか申し出てみたいと思っています。アジアリーグはまだ荒波ですが、少しでも凪になればいいと思っていますし、もうひとつは、今はできていない教育開発みたいなものを連盟の柱に据えて、日本でもスタートしようと考えています。底辺を広げていかないと将来はないと思いますから。国際連盟にいたおかげで世界の方向性を知って、スピードは遅いけれども、使えるものから日本やアジアに持って来ようと思っています。それと東京にオリンピックを呼ぼうという前に、次の次代を担う子供達や若者に、ルールを守ることとか思いやり、協調性などを養えるチームスポーツをもっとできるように、施設と指導者を用意するということを、東京には考えて欲しいと思っています。これも最後までチャレンジですね。

広報スタッフ:アイスホッケーの環境と、スポーツの環境づくりですね。

冨田:難しいのは、日本の社会がスポーツをどう考えるかというと、欧米とは少し違いますね。勉強する人は勉強ばかり、スポーツは勉強をやらない人がやっているというようなとらえ方です。私は、スポーツは人間をつくると思います。政治も企業も、社会をつくるのは人間だから、いい人間というのはどういう人かというと、心技体のバランスの取れている人だと思うんです。スポーツは人間形成に必要なものだと思いますので、正しい意味でのスポーツ振興という理念のもとにお金をかけていけば、施設なんてぜんぜん高いものじゃないだろうし、指導者の育成も本当に必要なものです。日本オリンピアンズ協会も日本オリンピック委員会(JOC)も日本体育協会も一緒になって、スポーツを通じて21世紀の日本の若者づくり、人づくりをするということをやっていけば、いい選手が出てくると思います。

広報スタッフ:日本のアイスホッケーですが、次の冬季オリンピックに向けて今は予選の最中ですか。

冨田:11月6日から9日まで上海で女子の最終予選で、4チームで勝った1チームがバンクーバーへ行きます(結果は残念ながら敗退)。それが終わると男子もポーランドで2次予選があって、勝ち残ると来年の2月に最終予選があります(最終予選進出決定)。オリンピックに出られると出られないではぜんぜん違います。どの国も一生懸命ですが、日本が行けたらいいと思います。

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