選手インタビュー

伊調千春さん 吉田沙保里さん 伊調馨さん 浜口京子さんインタビュー

伊調千春さん 吉田沙保里さん 伊調馨さん 浜口京子さん 伊調千春さん 吉田沙保里さん 伊調馨さん 浜口京子さん レスリング 2004年アテネ

【強い女性たちの素顔とは】

高橋:ジョイナーって、あの選手ぐらいから、女性のオリンピック選手もファッションにこだわるというか、そういう報道のされ方がしたような気がするのですけれども。今日、皆さんに会いまして、すごくかわいらしくて…レスリングというと、すごく何か怖い…というのではないですが、強いイメージがあったので。

吉田:格闘技ですもんね。

高橋:男っぽいというイメージがあるのですけれど。お話を伺っていてもすごく、女性らしいというとおかしいかもしれないですけれど、そういうふうによくとらえられたりしませんか。

吉田:しますね。

千春:しますね(笑)。言われます。

吉田:ちょっと、アピールしておいてくださいね、女性らしかったと(笑)。

高橋:でも、本当に(笑)。例えば今、皆さん、20代ですよね。そうすると、例えば大学生とかはファッションをすごく気にしていたりとか…。でも、皆さんは普通と違う生活をしなければいけないじゃないですか。それは小さいときから、みんなは小学校が終わったら遊びに行くのに練習をしなければいけないとか、そういうところで何か葛藤というか、やめたいとか、そう思ったことはありますか。

千春:あまりありません。やっぱり友達は、学校が終わって遊びにいく。でも、自分はレスリングをする。もうそれが当たり前だと思ったんです。小さいときは市の大会とか県の大会で優勝するために練習するんだと。別に遊びたいとは思わなかったです。もっと強くなりたいとか練習したいという思いの方が強かったです。人は人、自分は自分という。

高橋:どうですか。吉田さんも同じですか。

吉田:いや、今聞いたら、やっぱりすごく強いなと思ったんですけど。私はやっぱり、うらやましいなとは思いましたけど、遊べないという感じでしたね。小さいときはもうレスリングをやらされているという感じでした。帰ってきたらご飯を食べて、「はい、練習」という感じだったので、自分でやりたいと思うよりも、やらないといけない、そういう日常の生活になっているという感じだったので、本当にやめたいとも思いましたし、遊びたいとも思ったし…けど、遊べないという感じですね。

高橋:何かのインタビューで、やはり子供のころはやめたいと思ったけれども、お父さまが厳しかったとお答えになっていましたね。

吉田:そうです。やめたいというのを言えなかったです。でも、やっぱり試合に出て優勝するとうれしいという気持ちになるので、やっていてよかったなと思うんですよね。小さいときは、それの繰り返しです。

高橋:今は負けなしじゃないですか。

吉田:ああ(笑)。

千春:ああって…(笑)。

吉田:今はまあ…勝っていますけど、小さいときのそういう貯金があったから、今があるんだなと思っているので。けど、大学生のときとか、やっぱり周りではデートしたりしているのを見ても、そこはもう「やっぱりオリンピックの方が私は大事だ」というのがあるので、大きくなってからは全然うらやましいと思っていないし。この、オリンピックを目指すということは今しかできないので、何とも思わないです。レスリングが楽しいという感じ。だから、小さいときの思いと今の思いは全然違います。自分でやらなくてはいけない。レスリングはやらされているのではなくて、自分からやっているという感じです。

高橋:馨さんは?

馨:基本的にレスリングが好きだったので、嫌になったことはほとんどないです。小さいころは土日だけだったし。沙保里さんみたいに毎日とかではなかったし、土日の練習だけでは物足りない感じですね。やりたくてしょうがなかった感じなので。

高橋:では、普段、学校が終わったら普通のお友達と一緒に遊べたのですか。

馨:はい。

千春:遊べるときもありましたし、習い事もやっていましたし。

高橋:平日は割と普通のお子さんたちと同じような感じで、土日だけ練習。それでこんなに強くなってしまう? ずっとではないでしょう。いつからか平日も練習するようになったとか。

馨:高校からですね。

吉田:センスがあるんですよ、センス。センスと努力で、週2回でも強くなる人もいますよ。もう生まれ持ったものとまず…ごめんなさい、語り出して(笑)。

高橋:いや、そうなのですか。ぜひ教えていただきたいです。

吉田:センスがあるのと、運動神経がいいのと、そういうのが重なると週2回でも集中してできる人は、やっぱり勝つと思います。毎日やっていても勝てない人もいますもん。そこはもう、毎日やるからいいというものでもないし。それは思います。

高橋:ありがとうございます。大学に入ってからはどうですか。周りをうらやましいなとか、「私も遊びに行きたいわ」とか。

馨:そうですね、そのころはやっぱり思いましたね。毎日レスリング漬けの生活なので、「何でこんなレスリングばかりしているんだろう」というのが、一番疑問でしたね。でも、今はレスリングもしっかりやって、遊びもしっかりやって、休みの前の日もみんなで飲みに行ったりとかするんですけど、しっかり飲んで(笑)。そうやって、レスリングだけではなくて、今は「全部やってやろう」みたいな(笑)。その方が楽しいじゃないですか。レスリングオンリーではなくて。レスリングだけだと、自分の世界だけになっちゃうじゃないですか。狭い世界になってしまうので、広くしてやろうかなと今は思ってますね。

高橋:でも、そういう余裕があるのですか。時間とか精神的な余裕も含めて。

馨:逆にそういうリラックスできる場を作らないと、自分がきつくなる気がするんですよ。

高橋:なるほど…浜口さんはどうですか。

浜口:馨が言ったように、自分も今、そういう考えになってきているんですよ。今までの私は、こう、すごくストイックになっている…性格上、そういうふうになっちゃう傾向があったんですけど、視野を広げていきたいなというのを思ってやっていますね。オンとオフの切り替えをうまく。

高橋:オフのとき、ちなみにどんなことをされますか。

吉田:掃除だよね。ちーちゃん、普段は。綺麗好きだから。

千春:そうですね。家にいるときは掃除をしたり。こういう合宿中のオフは、みんなで外に行ってご飯を食べに行ったりとか、買い物に行ったりとか。部屋の中が汚いのがすごく嫌なので、きれいにすることによって自分の気持ちもすっきりするというか。

吉田:見習いたいですね(笑)。

高橋:吉田さんは。

吉田:私はもう、カラオケですね。カラオケ、買い物。

千春:軍歌とかを歌うんです。

吉田:軍歌も演歌も歌います。だから、20歳、30歳ぐらい離れた人と行きますね。

高橋:外にショッピングに行かれたりとかは。

吉田:します。買い物をしたときはすごいですよ。私はもう、これと決めたら、その日にバンと買っちゃいます。

高橋:馨さんは。

馨:自分は買い物です。買い物か、だらだら家で寝ているか。その週の練習がきつかったら、1日の休みで補わなくちゃいけないので、だらだら寝ちゃうこともありますね。

高橋:浜口さんはどうですか。いつもお父さまに監視されているようなイメージがあるんですけれど。

浜口:ああ、そうですか。全然それは…練習のときだけです。でも、ご飯とかは一緒に食べますし。自分もショッピングに行ったりします。あと、飲みに行ったりします。

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