選手インタビュー

鈴木大地さん 森田智己さんインタビュー

鈴木大地さん 森田智己さん 鈴木大地さん 競技(背泳ぎ) 1984年ロサンゼルス 1988年ソウル 森田智己さん 競技(背泳ぎ) 2004年アテネ

【世界との戦いの中で】

高橋:海外でのことを少しお伺いしたいのですが、先ほどおっしゃったように、海外の大会というのは日本の大会とかなり違うと思うのですけど、例えば最初に海外の大会に出て、こんな経験があったとか、それ以来意識が変わったとか、ありますか。

鈴木:ちょっと昔のことなので森田君から(笑)。

森田:やはり身長が小さいので。とりあえず最初に思うことは、「でっけえな」という。今は、「大きいな」と思うことにはもう慣れたというのもあるし、あまり背を考えなくなった。

鈴木:水の中に入っていたらあまり関係ないけど、並んだりすると見えないの、顔が。

森田:カメラのアングルで僕が見えなくなるんですよ。コース台に立っている時に、ちょっとかぶったりすると…親がテレビを見ていて、高校の時かな、福岡の世界水泳のビデオを家に帰って見た時に「あんた、これ、どこにいるの」と(笑)。今ではそれがうれしい。

高橋:うれしい、どうして?

森田:僕が勝つから。大きい人にも勝てるから、それが何か嬉しい。

高橋:かなり自信がついてきているということですね。大きかろうが何だろうが関係ないと。

森田:大きい人には勝てないと思ったら、ここまで長いことやっていないと思うし。

鈴木:でも彼なんか、小さくても速いという、一つの自分のセールスポイントみたいになってきているよね。それは自分なりに、それを力にしているんじゃないかな。

森田:そうですね。

鈴木:外人なんかびっくりするんじゃない、逆に。何でこんな小さいのに速いんだろう、みたいな。

高橋:特別な何か秘密はあるんですか?

森田:それは秘密ですよ(笑)。

鈴木:でも、陽二コーチに言わせると、彼は体は小柄なんだけど全身がバネみたいだと言っているね。

高橋:国際的なスポーツイベントに行った時に、何のために戦いますかと言われたら、自分のため、それとも日本のためですか。

森田:難しいですね、それ。大地さんは何のために?

鈴木:基本的にはやはり自分のためじゃない? それが日本の所属であって、日本のためにもなるという…日本のためだから頑張れるというのもあるしね。自分のためだけだったら、頑張れないようなこともあるし。強くなればなるほど、人も応援してくれるようになるし。つらい時こそそういう応援が響くから、そういうのを力にして、うまく利用すると言ったら変だけど、自分のためでもあるし、人のためにも頑張らなきゃいけないという気持ちを持っていると、つらい時でも頑張れるような気がする。どうかな。

森田:やはり最初は、速かったら格好いいとか、もてるとか。

鈴木:随分もてますからね、彼は。

森田:またまた(笑)。大地さんももてたじゃないですか。

鈴木:いやいや、そんなことないよ(笑)。

森田:やはり男だったら、まずそこから。若い頃というか、今も若いと思うんですけど、高校とかの時はとにかくもてたい。僕が仙台にいた時にコーチに言われていたのが、「速くなったらもてる」。

高橋:分かりやすい(笑)。

鈴木:それは森田君の気持ちをよく分かっているコーチだね(笑)。

森田:速くなってもてたのか分からないですけど(笑)。でも最近は引き際を考えると、すごくいろいろな人にお世話になってきて今の自分があってというのをすごく考えてくるようになって…。

鈴木:成長してきたな。

森田:それはすごく自分でも嬉しいんですけど。そういうのを考えると、あまり最近は自分のためというのを考えなくなってきて。やはりいろいろな人に迷惑をかけて、苦労をかけて、今のこの体と泳ぎがあるから、それを存分に見てもらおうかなというようなことを凄く今は考えちゃうんですけど。トシですかね(笑)。

高橋:それは監督とかコーチとか、ご両親とか。

森田:そういうのも含めて、親とか、そのほかにいろいろな人ですね。

高橋:日本というものは意識しますか。日の丸を意識することは?

森田:日の丸を背負ったから何が変わるかって、僕はあまり変わらないです。だけど、日本代表なんですよ。微妙なニュアンスだと思うんですけど。オリンピックに行けない人もいて、その人たちの代表であり、それは大きく言ったら日本。

高橋:例えばそこで応援してくれる、アテネまで来てくれて応援してくれているファンの人がいたり、あとテレビの前で凄い日本中が応援しているじゃないですか。そういう人というのはあまり意識されませんか。

森田:けっこう後づけですよね、そういうのは。後から映像を見て、この人も応援してくれているんだ、こっちも応援してくれているんだ、みたいな。

高橋:日本代表としての意識が作られるということはありますか。例えば、オリンピックの間の合宿などを通して、「日本代表なのだから」というようなプレッシャーというか、意識というか。

鈴木:我々の時代だと、自分のクラブに強い選手ってそうそういなかったから、代表で合宿をする時なんかはいろいろライバルもいるし、嬉しかったね。楽しいし。そういう意味では、何か特別な意識で僕はやっていて…普段では得られない環境の中でやれるので、そういう意味では嬉しかったです。

森田:オリンピックで何が違うって、コーチが一番違うと思うんです。やはり、ほかの世界大会とは違ったぴりぴりしたムードになって、それでだんだん、「ああ、オリンピックなんだな」という意識になってくる。僕はアテネの時は自由にやっていたんですけど、"代表なんだから頑張る"というのはなかったですね。自分はどの大会でも頑張っているし、世界大会だったらどれでも頑張るのは一緒。それは、日本の大会でも頑張るのは一緒だし、あまり日本代表だからとか、そういうのは感じないです。

高橋:国内の大会であっても、国際的な大会、あるいはオリンピックであっても、自分の意識としてはあまり変わらず、ベストを尽くすということですね。

森田:そうですね。

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