選手インタビュー

渡辺武弘さんインタビュー

渡辺武弘さん 渡辺武弘さん 卓球 1988年ソウル 1992年バルセロナ

【オリンピアンとしての自分と社会人としての自分】

高橋:今お話をいろいろ伺っていて、オリンピアンとしての渡辺さんと今この現実の社会、アサヒビールの一社員としての渡辺さんという中で、まだギャップというのはありますか?

渡辺:いや、ギャップは無いですね、全然。

高橋:一つになっていますか?それともオリンピアンとしての渡辺さんというのはもう押さえ込んじゃっているというか。

渡辺:いや、自分の中ではですね、変な話、経験したこと無かったよりも僕らはそのオリンピアンという土台があって、そこで仕事をやっているっていうイメージが僕はあるんですよ。

高橋:土台がオリンピアン。

渡辺:オリンピアンという土台があって、仕事があるような。他の方はただ仕事がある。土台がまあ無いですよね。

高橋:はい。無いですね。

渡辺:この土台というのはすごく、自分なりにはですけど、ものすごく、さっき言った、なんと言うか有り難い部分であって決してこの部分は誰からも批判はされないですよ、絶対。逆にさっき言ったオリンピアン、ものすごく反応してくれ方もおられるし、培ったものが、たぶん僕はそれなりには他の方よりもいろいろ経験してきてると思うんですけど。

高橋:そうですね。

渡辺:うん。やっぱりそういう自分の土台がすごくやっぱりそれは、オリンピアンの自分があって、これは、ま、いろんな部分ですごくこの支えになっていますよね。いろんな。何か厳しいことがあったりとか嫌なことがあったりとかしてもこの部分は絶対誰からも取れないっていうかね、もうこれは一生付き纏うと思ってますんで、変な話勲章を得た部分があって。

高橋:そうですね。

渡辺:僕はすごくやっぱり心の支えにものすごくなっているんですよ。オリンピック出たこととかですね。やっぱりだから僕は活かそうというよりももうこれは心の中にあるのは非常に心強いというか。

高橋:自分の何かこう根幹を占めるもの。

渡辺:ええ。

高橋:オリンピアンっていうのがもう渡辺さんのたぶん真髄であって、そこに今の仕事、仮の姿とは言わないですけども、それも渡辺さんなんだけれども、そういった経験があるからこそ我慢できることがあったり、あるいは逆に誠実に対応することができたりとか。ある種余裕があるのかも知れないですね。何もこう土台が無い人で、ただ仕事を始めた、何か嫌なことがあるともう嫌だ逃げたいと言う、そういう人に比べて、今までたくさんご苦労されていろいろな経験をつまれて、で、一つオリンピアンとしてしっかりしたものを持たれたという、そこがある種人生にとって余裕になるのかなという気がするんですけど。

渡辺:たぶんどこかそれ僕はあると思いますね。

高橋:だから決して、ある種別のものなんだけど別じゃないみたいな。

渡辺:別じゃ全然ないと思います。全然ない。

高橋:オリンピアンと現実社会って何か、最初はすごいギャップがあって、ご自分がすごく努力をされていく中で、土台になって次第に一つのものになっているっていう形なのかしら。

渡辺:ええ。はい。そういう感じしますね。

高橋:切り替えているわけではないですよね、きっと。

渡辺:あ、全然、全然ないです。切り替えてなんか全く無いですね。

高橋:自然に、誠実にいつも真面目に対応されていらっしゃるから、それが自分のものになってきているんですかね。

渡辺:です。だと思いますよね。

高橋:卓球にしてもそうで。その卓球で渡辺さんらしくやれば良いんだって言う。それがたぶん今のお仕事でも、イベントにいろいろ参加されたりとか、新しいものを企画されているときも、渡辺さんらしくきっと考えられて、どういうふうにしたら皆さんが喜んでいただけるかとか、他の人のことを最初にお考えになると思うので、そういう所で渡辺さんという現在の魅力ある方がいらっしゃるのかなっていう感じがしたんですけど…。

渡辺:私には周りがどう受け止めるのか分からないんですけど、まあ、自分ではそういう生き方をしたいなと。で、やっぱり卓球とは、そういうふうに培ったものは今更変えたくもないし変える気無いんでやっぱり。うーんと、人に迷惑かかってたら別なんですけど。やはり、そういうスポーツで得たせっかくのものは、いいもんだなって、自分でやっぱりしっかり土台として持っておきたいと思うんですよね。

高橋:最後に、具体的に教えていただけますか?そのスポーツで得たもの。あるいはオリンピアンとしての土台っていう風におっしゃったものとは?

渡辺:例えば、そうですね。まあ、とにかくチームワークとか、まあ、何か仕事をするにしても、僕はどんな仕事でも思ったのは、自分の仕事はあるんですけども、例えば人から頼まれたりとか人が困っているようなことがあれば、自分のことよりやっぱりまずそういう人達の手伝いとかですね、ことをしてあげたいと自分では思うようにしているんですね。まあ、だからチームワークっていうか、そういう部分を大事にしたいと思ってますし。少しでも人よりいろいろ気づくようにして、周りにですか、ま、そういうものを、手を差し伸べるじゃないですけど、先に先にそういうことをやるとかですね。抽象的なんですけども。

高橋:どうもありがとうございました。

~渡辺武弘さんインタビュー 完~
(編集 高橋利枝)

ゲストプロフィール

渡辺武弘さん
渡辺 武弘(わたなべ たけひろ)
1961年(昭和36年)12月16日生まれ(43歳)。福岡県出身。アサヒビール(株)勤務。中学校時代に卓球を始め、22歳で初めて日本代表選手として世界選手権に出場。全日本選手権ではシングルスで1回、ダブルスで5回、混合ダブルスで3回優勝。1988年ソウル、1992年バルセロナ両オリンピックに出場。現在は、富山県卓球協会強化練習会などにコーチとして参加し、選手としては年に2~3回程度、地域の大会に出場している。
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